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今日の天声人語

 投稿者:かおり  投稿日:2008年11月15日(土)06時09分59秒
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  こみ上げてくるものがあります。

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まど・みちおさんの紡ぐ詩は穏やかに、読む者の胸に広がっていく。明日99歳の白寿を迎えるその詩人に、「虹」という一作がある。地球に君臨する人間への、平易だが、きびしい言葉が連なっている▼〈ほんとうは/こんな 汚れた空に/出て下さるはずなど ないのだった/もしも ここに/汚した ちょうほんにんの/人間だけしか住んでいないのだったら〉。そして続く▼〈でも ここには/何も知らない ほかの生き物たちが/なんちょう なんおく 暮している/どうして こんなに汚れたのだろうと/いぶかしげに/自分たちの空を 見あげながら〉。無辜(むこ)の生き物を慰めるために、虹は空にかかる――詩を思い出しながら、国際自然保護連合の新しい報告を読んだ▼世界の哺乳類(ほにゅうるい)の4分の1が、主に人間活動の影響で絶滅の危機にあるのだという。危機は1141種に忍び寄り、うち188種は絶滅寸前、29種はもう手遅れの状態らしい。環境は悪化し、生息地は消えて、動物たちを追いつめている▼そうした中で、哺乳類の一種、人間は増え続けている。国連人口基金の新しい報告では67億人。2050年には91億人を超えるという。地面も空気も、水も緑も、1人分の「地球」は少なくなる一方だ。無論それらは、他の生き物との共有財産である▼まどさんが思いを託した虹は、空の片方が晴れて、もう片方で雨が降るとき現れる。夏の風物詩だが、晩秋から初冬にも「時雨(しぐれ)虹」が時折かかる。淡い日差しゆえに消えやすい様が、滅びゆくものの姿に重なり合う。
 
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